Preprocessing/jp

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前処理

 前処理の設定は幾つかあります。ユーザーインタフェースの中で2つに分けられていて、両方ともRawタブの中にあります:一つはメインである“前処理”機能で、もう一つは“ベイヤー配列を使ったセンサー”の機能です。メインである“前処理”機能で行われる設定は、全ての形式のrawファイルに影響しますが、“ベイヤー配列を使ったセンサー”の機能は、ベイヤー配列使っているカメラのrawファイルにだけ関わります。

PDAFラインフィルター 

PDAFが原因で起こる線状のアーティファクト(左)、右はそれを補正した画像

 像面位相差フォーカス(PDAF:Phase Detection Auto Focus)を採用しているカメラは、フレアが生じるような極めて明るいバックライトが背景にあるシーンを撮影すると、画像に線状のアーティファクトが発生する傾向があります。特にSonyのレンズ交換可能なミラーレスカメラに多いようです。PDAFラインフィルターを有効にすることで、このアーティファクトを補正できます。

 バージョン5.5のRawTherapeeは以下に示すカメラのPDAFラインアーティファクトを補正することが出来ます:

  • Sony DSC-RX1RM2
  • Sony ILCE-6000
  • Sony ILCE-6300
  • Sony ILCE-6500
  • Sony ILCE-7M3
  • Sony ILCE-7RM2
  • Sony ILCE-7RM3
  • Sony ILCE-9

ラインノイズフィルター

 特にノイズの多い画像で、水平や垂直のバンディング(縞模様)ノイズのことです。縦や横に並んだフォトサイトからの値を読むセンサーで起こるノイズが原因です。

 どの様なノイズなのかMagicLanternのフォーラムに掲載されています:http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?topic=10111.msg105001#msg105001

ニコンのPDAFバンディング

カメラ内臓のPDAFフィルターの働きが過剰なために発生するバンディングアーティファクト(左)、右はそれを補正した画像

 ニコンのレンズ交換可能なミラーレスカメラの幾つかはPDAFを採用していますが、内蔵しているフィルターで線状のアーティファクトを軽減しています。しかし、この機能が過剰に働き、シャドウ部分で暗い線が現れる“PDAFバンディング”が発生することがあります。

 ラインノイズフィルターのドロップダウンボックスを“PDAFの場合は水平方向だけ”にセットしてPDAFバンディングを補正します。

 バージョン5.5のRawTherapeeでは、次のカメラのPDAFバンディングを補正できます:

  • Nikon Z 6
  • Nikon Z 7

 先に挙げた“PDAFラインフィルター”でニコン製カメラのPDAFバンディングは補正出来ません。

グリーンの平衡化

 幾つかのカメラ(例えば、オリンパス製、パナソニック製、キャノンの7D、一部の中判カメラ)は、撮像素子上のカラーフィルター](英語)のグリーンチャンネルで、多少違いのある2つのフィルターを使っています。ここで2つのグリーンチャンネルが同一の特性を持っていると想定しているデモザイクアルゴリズムを使用すると、アーティファクトが発生することがあるので、このグリーンの平衡化機能を使います。しきい値の設定は、近傍の値がどれほど違えば(%)、平衡化を働かせるか決めます。

 アルゴリズムにDCBを使っている場合は、このスライダー調整は、メイズパターンが除去される程度に留めるべきでしょう。DCBはグリーンチャンネルの差異に敏感なので、この機能は有効ですが、他の要素との兼ね合いも大切だからです。

 また、この機能はクロストークが原因で起こるグリーンチャンネルの乖離(デモザイクの方式の項を参照)を補正することにも使えます。例えば、アダプターを使ってアナログ式の超広角レンズを使った場合、レンズからの入光がローアングルになり、一部の光がカラーフィルターを一つ飛び越してしまい、異なるカラーチャンネルに属する隣のピクセルに記録されてしまうことがあります、これがクロストークです。グリーンチャンネルは2つのブルーチャンネルと2つのレッドチャンネルに囲まれているので、クロストークによりブルーとレッドの両方から影響を受けて乖離し、これがメイズパターンの原因となります。クロストークはブルーやレッドにも影響しますが、影響はグリーンチャンネルからだけなので乖離はしません。通常、マイナーなクロストークはグリーンが平衡化されていれば、目に見えて分ることはありませんが、クロストークが重度になると彩度の低い中間的な色(カラーチャンネルがミックスされているので)で目立つようになります。備考:一般的にクロストークは強い色被りがなければ発生しませんが、発生する場合はフラットフィールド補正も併用するといいでしょう。

グリーンチャンネル特性の違いにより、クロスハッチングパターンが発生した例(ペンタックス645D)

ホット/デッドピクセルフィルター

 これはホット/デッドピクセル(英語)を周りのピクセルの平均値で置き換え抑制する機能です。

 “ホットピクセル”は明るく鮮やかな点のように現れます。ホットピクセルは撮像センサーのフォトサイトから想定以上の電流が出力されることが原因で発生します。単一のフォトサイトが単一のピクセルに合致しているかどうかは、選択したデモザイクの方式にもよりますが、殆どの方式で、例えばデフォルトで設定されているAMaZE、フォトサイトとピクセルに直接的な関係はありません。そのため、ホットピクセルは単なる点として現れることもあれば、3x3ピクセルの十字やシミの様な多少大きい形で現れることもあります。ホット/デッドピクセルは、全てのカメラに関し、極当たり前に発生する現象です。但し、普通の昼光下の撮影で経験することはないでしょう。露出時間が長いほど、ホットピクセル発生の可能性が増えますが、一般的には露出時間が2秒を超えると、その傾向が強くなると言われます。熱もホットピクセル発生の要因で、センサーが熱を帯びることでその傾向が強くなります。

露出時間が長くなるとホットピクセルが発生しやすくなりますが、RawTherapeeで補正することが出来ます。


 一方、“デッドピクセル”は黒い点(或いは、十字やシミ)で現れます。原因はフォトサイトが壊れていることによります。従って、露出時間の長さなどには関係なく、常に画像の特定部分に発生します。発生の位置が同じで、そのカメラ本体で撮影した画像には常に現れるので、自動的な“デッドピクセルフィルター”を使うだけでなく、バッドピクセルファイル(バッドピクセルを参照して下さい)を併用することで補正出来ます。

 一枚の画像だけを分析して、ホット或いはデッドピクセルを完璧に検出することは不可能なので、ホット/デッドピクセルを補正する場合は、偽陽性との兼ね合いを考慮する必要があります。しきい値スライダーを使ってホット/デッドピクセルの自動検出の感度を調節することが出来ます。設定値を低くすると検出感度が上がりますが、偽陽性によってアーティファクト発生するかもしれません。従って、ホット/デッドピクセルフィルターを有効にした際、アーティファクトの発生を認めた場合は、それが消えるまで徐々にスライダーを調節します。

ホット/デッドピクセルの自動検出を強くしすぎるとアーティファクトが発生するリスクがあります。その場合はしきい値を40~120に調整し、アーティファクトを取り除きます。