Capture Sharpning/jp

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キャプチャーシャープニング

どの様な機能か?

 キャプチャーシャープニングは、カメラに起因する“ぼけ”、 回折アンチエイリアシングフィルタ、或いは ガウシアンぼかし、によって失われたシャープネスを回復する機能です。

 このフィルタは、デモザイク処理の直後に適用されます、そしてハロを抑制するために画像データをリニアガンマで修正します。従って、この機能はraw画像だけにしか使えません。

信頼のおけるシャープニング機能なのか?

 デフォルト設定でも優良な結果が得られます。しかし、だからと言ってこれが唯一のシャープニング機能ということにはなりません。むしろ、他の機能で画像の編集を始める前に、ノイズとディテールをしっかりと区別しておくために必要な最初の手順と考えた方がいいでしょう。従って、アンシャープマスクやRLデコンボリューションといった他のシャープニング機能と併用することが出来ます。シャープニング機能の併用は、貴方の編集目的やアーティファクトの許容範囲次第です。

 また、シャープニング機能の使用は、最終的な画像の大きさと、その画像を印刷するかどうかにも関係します。予め最終画像でノイズやアーティファクトは目立たないと知っていれば、シャープニング機能を強く使えるからです。

 以下、2つの一般的なシャープニング機能併用のポイントを紹介します:

  •  アンシャープマスクとの併用:半径を小さくとり、シャープニングの適用量を増やした時にアーティファクトが目立つようになるかどうか。
  • RLデコンボリューションとの併用:適切な半径の大きさを探し(試行錯誤でハロが発生しない程度の大きさを探します)、明確な細部とエッジだけを際立たせる高いコントラストしきい値を選び出します。この手順によりアーティファクトの発生(この機能に有りがちな)を最小限に留めます。シャープネスを強めるには恐らく適用量を増やすことも必要でしょう。

設定の方法

 この機能による調整は画像全体に作用します。拡大率の大きさとは関係ありません。貴方が使用しているシステム次第では、調整処理に時間がかかるかもしれませんが、処理が済めば拡大・縮小やパニングで処理時間が更に増えることはありません。

 “シャープニングのコントラストマスク”(プレビュー画面上部のツールバー)を使って、シャープニングが働くディテール部分を確認することが出来ます。プレビュー画像の中の白い部分でシャープネスが増加します。黒い部分はシャープニングされません。マスクは“プレビュー画面”と“ナビゲータパネル”に表示されます。

コントラストのしきい値

 デフォルトでは、この機能が自動で画像を解析し、ノイズが先鋭化するのを避けるためのしきい値を計算します。

 しきい値を自動で計算させることも、手動で設定する(自動を無効にします)ことも出来ます:手動の場合、スライダーを右に移動するとシャープニング作用の起点となるコントラスト値が高くなります。コントラストのしきい値が高くなるとノイズに作用するシャープニングの量も減りますが、ディテールのコントラストもあまくなる傾向があります。

半径

 カメラ内部の理由でぼけが発生すると、有効解像度がピクセルサイズに依存せず、半径はぼけの量に比例して大きくなります。

 この機能の目的は、上記の効果を打ち消すために必要な半径の大きさを自動的に推定することで、このぼけを軽減することです。

  • 元画像
  • キャプチャーシャープニングを適用し、正しい半径を設定した画像

 貴方自身で半径を決めることも出来ます。その際、半径が小さ過ぎるとシャープニング効果が不十分になる、大き過ぎるとエッジ部分のハロが目立つようになることを覚えておいて下さい。この機能はあくまで、カメラに起因したぼけを軽減するためだけの機能であることをお忘れなく。

  • 適切な半径を適用した画像
  • 半径の設定が不適切な沢山のアーティファクトが発生した画像

 殆どの場合、デフォルトで設定されている半径の大きさで十分な効果が得られると思いますが、ノイズの先鋭化や過度なシャープニングの発生に特に神経を使うケースもあるでしょう。例えば、焦点合成のプログラムを使って再処理を行う場合、天体画像を処理する場合、超解像度が必要な場合です。この様なケースでは、半径の自動設定を無効にして、アーティファクトを避けるために手動で半径を設定する方がいいでしょう(効果は画像を拡大して確認します)。シャープニング効果が十分に得られないかもしれませんが、他のソフトウェアで引き続き処理を行う場合にアーティファクトが目立つことを避けられます。

 また、長時間露光を行ったrawファイルを編集する場合、半径の自動計算は、“rawタブ”にあるホットピクセルフィルタを有効にすると、より良い結果が得られます。

  • ホットピクセルが目立つ画像
  • ホットピクセルが除去されることで、キャプチャーシャープニングがより良い効果をもたらした画像.

周辺のシグマを増やす

 画像の中心部と比較して、周辺部分のシャープネスがあまくなることがよくあります。“周辺のシグマを増やす”スライダーを使って、周辺のシグマを増減してこれを補正することが出来ます。

 スライダーを右に移動すると、周辺部分のシャープネスが上がります。左に移動すると下がります。

再帰処理

 半径の設定が自動であれ手動であれ、一旦設定されるとどのぼけに関してもそれを補正するための処理が繰り返されます。再帰処理を行うからですが、過度に再処理を行うとアーティファクトが発生します。“再帰処理の自動制限”を有効にすると、回数が制限されます。再帰処理の回数のスライダーを使って手動で制限することも可能です。

前提条件

 この機能で最良の結果を得るには、カメラのホワイトレベルが正しいことが前提条件です。特に画像のハイライト部分で飽和とそうでない部分の差が著しい場合です。この様な画像の編集に遭遇した場合は、新しいRaw形式のサポートを追加するの“ホワイトレベル”の解説を参考にして下さい。