How to convert raw formats to DNG/jp: Difference between revisions

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<span style="color: #000000; background: none; overflow: hidden; page-break-after: avoid; font-size: 2.0em; font-family: Georgia,Times,serif; margin-top: 1em; margin-bottom: 0.25em; line-height: 1.3; padding: 0; border-bottom: 1px solid #AAAAAA;">Rawファイルの形式をDNGに変換する </span>
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__FORCETOC__


[[File:Adobe_dng_converter_83.png|thumb|wine 1.7.12を使えばLinux64ビットGentooでもAdobe DNG Converter 8.3が使える]]
[[File:Adobe_dng_converter_83.png|thumb|wine 1.7.12を使えばLinux64ビットGentooでもAdobe DNG Converter 8.3が使える]]
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== Linuxのユーザーの場合 ==
== Adobe DNG ConverterをLinuxにインストールする ==
 Adobe DNG ConverterにはLinux版がありませんが、[https://ja.wikipedia.org/wiki/Wine wine]経由であれば問題なくLinuxで使うことが出来ます。次のステップに従って下さい:
{{WinePrefix/jp}}
# wineをインストールします(出来れば、ご自身のパッケージマネジャーをお使い下さい)
 
# [http://www.adobe.com/jp/support/downloads/dngwin.html   Adobe DNG Converter のWindows版]をダウンロードします
 Wine prefixとして<code>$HOME/wine-dng</code>を使って手順を説明します。
# Adobe DNG Converterをインストールします
#: Adobe DNG Converter 8.3以前のバージョンはXPタイプのシステムで正しく作動しますが、Windows7以降のシステムには8.4以降のバージョンを使って下さい。実際には、プログラムはWindows7以降のバージョンを必要としないのですが、どういう訳かインストーラーだけにそれが必要なのです。デフォルトではWindowsXPタイプのシステムが設定されます。8.4以降のバージョンをインストールしたい場合は、以下の変更が必要です。但し、最新事情として、Adobe DNG Converterを9.1に更新すれば、wine1.7.46で試した結果、Windows7モードを必要としませんので、最初のステップはスキップ出来ます。
## 起動します
##: <pre>WINEPREFIX="$HOME/wine-dng" winecfg</pre>
##“Application”タブで、“Windows Version”を“Windows 7”に変更、“OK”します。インストールの準備が整ったので、起動します:
##: <pre style="white-space:pre-wrap;">WINEPREFIX="$HOME/wine-dng" wine /path/to/DNGConverter_version.exe</pre>
#: これで "<code>$HOME/wine-dng/drive_c/Program Files (x86)/Adobe/Adobe DNG Converter.exe</code>"にインストールされます
#: 8.3以前のバージョンをインストールした場合は、これでコンバーターを動作できますが、8.4以降の場合は、もう一つ準備が必要です。
## 8.4のインストールにはwineをWindows 7のモードにしなくてはなりません。しかし、実際にはこのモードでプログラムは正しく動かないので(ファイルブラウザで“OK”が押せないのです‐少なくともwine-1.7.19では)、8.4が正しく作動するためにモードをWinndows XPに戻す必要があります。
##: 起動します<pre>WINEPREFIX="$HOME/wine-dng" winecfg</pre>
##“Application”タブで、“Windows Version”を“Windows XP”に戻し、“OK”します
# Adobe DNG Converterを起動します
#: <pre style="white-space:pre-wrap;">WINEPREFIX="$HOME/wine-dng" wine "$HOME/wine-dng/drive_c/Program Files (x86)/Adobe/Adobe DNG Converter.exe"</pre>
#:その後、同じコマンドをまた入力するのは面倒なので、ショートカットを作ります:
#: <pre style="white-space:pre-wrap;">echo "alias dng='WINEPREFIX=\$HOME/wine-dng wine \"\$HOME/wine-dng/drive_c/Program Files (x86)/Adobe/Adobe DNG Converter.exe\"'" >> ~/.bashrc</pre>
#:これで、コンソールを再起動すれば、ショートカットが使えるので“dng”と入力するだけで起動します。
以上です。


; 追加情報‐wine prefixについて
{{AdobeDngConverterLinux/jp}}
 wineを使うと、基本的なWindowsシステムはデフォルトで$HOME/.wineの中に作られます。これは“wine prefix”と呼ばれるものです。そのまま使用することに問題はありませんが、各Windowsのプログラムに、個別のwine prefixを付けておけば、何らかの理由で特定のプログラムを取り除く時に、他のプログラムに影響を与えずに、全てのトレースを簡単且つきれいに取り除くことが出来ます。例えば、Adobe DNG Converterに個別の$HOME/wine-dngというwine prefixを付けたとします。そして、幾つかWindows専用の画像関係プログラムを試したとしましょう。その後暫くして、プログラムが気に入らない、お試し期間が終了した、或いは単に使えないという場合には、そのプログラムを取り除くでしょう。アンインストールが使えれば、それに越したことはありませんが、他のプログラムに影響する可能性があります。一方、これらのプログラムに個別のwine prefixを付けておけば、例えば$HOME/wine-HDR、このプログラムが必要なくなり、消去する場合、単にフォルダーとプログラムを消去しても、Adobe DNG Converterに影響を与えずに済みます。wine prefixを作るのは簡単です。WINEPREFIX=$HOME/ wineのwineの前に何らかのフォルダー名を入れるだけです。そのフォルダー名がシステム内になければ、自動的にwineがその名前でフォルダーを作ります。この場合、隠しフォルダー($HOME/.wineのように、名前の前にピリオドのあるファイル)は、使わない方がいいでしょう。プログラムによっては表示されない場合があります。上記の設定は、隠しフォルダーを使わない設定です。

Revision as of 22:46, 22 July 2019

Rawファイルの形式をDNGに変換する


wine 1.7.12を使えばLinux64ビットGentooでもAdobe DNG Converter 8.3が使える
Adobe DNG Converter 11.1を、wine3.21を使って、サバイヨン・リナックスで実行する例。rawファイルをDNG形式に変換する際に、“リニア(デモザイク)”のオプションは必ず“いいえ”にすること。そうでないと、デモザイク済み(純粋にはrawではない)のDNG形式に変換されてしまう

 殆どのデジタルカメラは画像をJPEG形式で保存出来ますが、この形式だけで保存した場合は、カメラの撮像素子が捉えて格納したメーカー形式のrawデータの方は、メタデータの一部と共に捨てられるだけです。一部のカメラでは、Adobeが開発したデータ損失の少ないrawファイル形式、DNG(Digital Negative)、で撮影することが可能です。カメラ内部で既に“現像”処理が終了しているJPEG形式のファイルとは異なり、rawファイル(メーカー形式及びDNG形式)は、そのJPEG画像の現像処理に必要な生のデータを保有しています(故にrawファイルと呼びます。略語ではないので、大文字で表記はしません)。

そのrawファイルを最新のDNG形式に変換して現像に使うことには様々なメリットがあります:

  1. 世界共通でサポートされている形式です。貴方のraw画像がDNG形式ではなく、ソフトウェアによってはサポートされていない場合でも、DNG形式に変換することで、利用できる可能性があります。
  2. 古臭い形式などではなく、常に維持管理され、バージョンも更新されています。
  3. Adobe DNG Converterは、ファイルの変換時に、メーカー形式のrawファイルには欠けていることがあるマトリクスを差し込みます。これにより、RawTherapeeの様なraw現像プログラムを使った処理過程で発生の可能性がある曖昧さを軽減することが出来、引いては色の忠実性が向上します。
  4. より優れた損失のない圧縮方法で、DNG形式のファイルは多くの場合、メーカー形式のファイルよりサイズが小さくなります。
  5. 貴方のカメラがDNG形式のraw撮影が出来る機種でも、そのDNG形式が古いバージョンである可能性が高いと思われます。最新のAdobe DNG Converterで古いDNGファイルを新しいDNG形式に再変換すれば、質が向上することもあります。新しいバージョンのカラーマトリクスの方がより正確である、非損失圧縮が向上している、欠陥ピクセルに対する対処が良くなっている、新しいオペコードが含まれている、便利なメタデータタグが挿入されている、などの可能性があるからです。

 但し、新しいDNG形式に変換する場合は、常に古いrawファイルを消去する前に、一度その新しいrawファイルが正しくプログラムによって処理されるかどうかテストするべきです。ただ、そうは言ったものの、新しいDNG形式に変換することで問題が発生することはまずありません。むしろそうした懸念は誤謬に近いかもしれません。

 RawファイルをDNG形式に変換するプログラムは、Adobe DNG Converterだけではありません。例えば、Kipi-PluginsにLibrawとLibkdcrawを使ったDNG Image Converterがあります。しかし、このコンバーターが使用しているマトリクスは不明で、どこのマトリクスかも分かりません。従って安全を期するならAdobe公式のDNGコンバーターを使うべきでしょう。

 最新のAdobe DNG Converterは以下のリンクから入手できます:

  1. Windows版(Linuxユーザーの方もこちらを入手して下さい)
  2. Mac OS X版

 後は解凍して作動させるだけです。

サポートされていないカメラセンサー

 DNG形式は純粋なrawデータで変換することが出来ますが、デモザイク済みの形式に変換することも出来ます。しかし、それらデモザイク済みの画像は純粋にはraw画像ではありません、何故なら既に処理されているからです。このことは一般的に言えば好ましくありませんが、場合によってはそれを上手く利用することも可能です。

Adobe DNG Converter 8.3.0を使って、rawファイルを“デモザイク済み”のDNGファイルに変換する例。これによって変換されたDNGファイルは既にデモザイク済みであるため、純粋にはrawファイルではない。デモザイク処理はAdobeのアルゴリズムに依存することになり、RawTherapeeのデモザイクアルゴリズムの利点は享受できない。従って、元々RawTherapeeがサポートしているrawファイルであればこのオプションは使わない

 撮像センサーの中には、RawTherapeeがサポートしていないカラーフィルター配列を使っているものがあります。従って、これらのrawファイルを直接処理することは出来ませんが、Adobe DNG Converterを使って、RawTherapeeでも処理可能な“デモザイク処理済み”のDNGファイルに変換することが出来ます。しかし、これらデモザイク済みのDNGファイルは純粋にはrawファイルではないので、くれぐれも元のrawファイルを消去しないよう(将来、サポートされるようになった時のことを考慮して)注意して下さい。以下の様な設定が必要です:

  • “DNG 1.4”を使った“カスタム”コンバーチブルモードで形式を変換
  • 必ず“リニア(デモザイク処理)にチェックを入れる

この設定を行うと、DNGファイルが元の入力ファイルより大きくなる-例えば、DNGファイルが入力RAFファイルより142%大きくなるとか-ということがあるかもしれません。

 デモザイク処理が施されたこのDNGファイルはRawTherapee(或いは、他のDNGをサポートしているプログラム)で編集・現像することが可能となります。但し、既にデモザイク処理されているので、RawTherapeeのRawタブにある機能は使えません。


Adobe DNG ConverterをLinuxにインストールする

 Wineを起動すると、デフォルトで基本的なWindowsシステムが$HOME/.wineの中に作られます。これは“Wine prefix”と呼ばれるものです。そのまま使用することに問題はありませんが、各Windowsプログラムを個別のWine prefixで実行することも出来るので、特定のプログラムを削除する場合、他のプログラムに影響を与えずに、全てのトレースを簡単且つきれいに取り除くことが出来ます。例えば、Adobe DNG Converterに個別の$HOME/wine-dngというwine prefixを付けたとしましょう。そして、幾つかWindows専用のHDR画像プログラムを試したとします。暫くして、そのプログラムが気に入らない、トライアル期間が終了した、或いは単に使えないという場合は、そのプログラムを削除したいと思うでしょう。アンインストールが使えれば、それに越したことはありませんが、他のプログラムに影響する可能性があります。一方、このプログラムに個別のwine prefix、例えば$HOME/wine-hdr、と付けておけば、このプログラムが必要なくなり、消去する場合、単にフォルダーとプログラムを消去しても、Adobe DNG Converterに影響を与えずに済みます。

 Wine prefixを付けるのは簡単です。WINEPREFIX=$HOME/ winewineの前に何らかのフォルダー名を入れるだけです。そのフォルダー名がシステム内になければ、自動的にwineがその名前でフォルダーを作ります。パスを二重引用符で括るのもいいでしょう。例えば、WINEPREFIX="$HOME/wine-hdr" wineのように。

 Wine prefixとして$HOME/wine-dngを使って手順を説明します。

  1. Wineをインストールします。出来れば自分のパッケージマネジャーを使って行います。
  2. Adobe DNG ConverterのWindows版をダウンロードします。バージョンは13.4を選びます。それより新しいバージョンではWineが動作しません(この解説を書いた時点のWineのバージョンは7.1でしたが、バージョン14.0以降のコンバーターでは、 api-ms-win-core-versionansi-l1-1-1.dllが無いためエラーになります)。
  3. WineをWindows10モードに設定します。
    WINEPREFIX="$HOME/wine-dng" winecfg
    "Applications"タブに行き、"Windowsのバージョン"を"Windows10"にセットします。それから、"Ok"と入力すればWineの設定が閉じます。
  4. Adobe DNG Converterをインストールします。
    WINEPREFIX="$HOME/wine-dng"wine~/AdobeDNGConverter_x64_ 13_4.exe
    $HOME/wine-dng/drive_c/Program Files/Adobe/Adobe DNG Converter.exeにインストールされます。
  5. 次のステップは任意です。使用するAdobe DNG Converterバージョンが11.2以降の場合、Wineのバージョンが5.0‐rc5より古いと問題が発生しました。起動時にWineがクラッシュするという問題でしたが、5.0‐rc5のWineで解決されたので、以下のステップを通じてこの問題は回避することが出来ます。
    Wineのコンフィギュレーションを実行します:
    WINEPREFIX="$HOME/wine-dng" winecfg
    "Libraries"のタブに行き、 api-ms-win-core-winrt-error-l1-1-0の無効化を新規に追加し、編集して"Disable"を選択します。以上です。
  6. Adobe DNG Converterを起動します:
    WINEPREFIX="$HOME/wine-dng" wine "$HOME/wine-dng/drive_c/Program Files (x86)/Adobe/Adobe DNG Converter.exe"
  7. コンソールから簡単にAdobe DNG Converter を起動するために別名を付けます:
     echo "alias dng='WINEPREFIX=\"\$HOME/wine-dng\" wine \"\$HOME/wine-dng/drive_c/Program Files (x86)/Adobe/Adobe DNG Converter.exe\"'" >> ~/.bashrc && exec bash
  8. Adobe DNG Converterを起動するにはコンソールでdngと打ち込むだけです。