Film Negative/jp: Difference between revisions

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<span style="color: #000000; background: none; overflow: hidden; page-break-after: avoid; font-size: 2.0em; font-family: Georgia,Times,serif; margin-top: 1em; margin-bottom: 0.25em; line-height: 1.3; padding: 0; border-bottom: 1px solid #AAAAAA;">ネガフィルム</span>
<div class="pagetitle">ネガフィルム</div>


== イントロダクション ==
== イントロダクション ==
 ネガとは明度と色相が逆転した画像で、フィルムカメラで生成された画像のようなものです。RawTherapeeはバージョン5.7から簡単にネガのraw画像を作成できるようにネガフィルム機能を設けました。
 ネガとは明度と色相が逆転した画像のことで、フィルムカメラで生成されるような画像です。RawTherapeeはバージョン5.7から簡単にネガのraw画像を現像できるネガフィルム機能を設けました。


 このツールがサポートしているのは、ベイヤー配列、或いはX-トランスセンサーで撮影されたraw画像だけです。他のraw形式やraw形式以外の画像には使えません。
 但し、このツールがサポートしているのは、ベイヤー配列、或いはX-トランスセンサーのカメラで撮影されたネガのraw画像だけです。サポートされていないraw形式の画像にも使えません。


 ネガティブ画像では、各色チャンネルの値が当初の露出における同じ色チャンネル値の逆数のべき乗に比例します(詳しくは、[https://en.wikipedia.org/wiki/Photographic_film#Film_basics Photographic Film - Basics]を参照して下さい)。 フィルムの種類や新旧、撮影状況など他の要因に応じて、各色チャンネルの値は異なる指数に増やされます。これら指数は各フィルムの性質に対し補正プロセスをより良く適合するために特定されます。手動による調整を単純にするため、これら3つの色チャンネル、R、G、Bの指数を特定します。1つは“参考”指数で(グリーンチャンネルに適用します)、残りの2つ、レッドとブルーチャンネルはこの参考指数との比にします。ColorPlus 200やGold 200の様な、Kodakの一般的なネガフィルムの映りならデフォルト設定で適度な効果を得ることが出来るでしょう。
 ネガ画像の各色チャンネルの値は、撮影当初の露出に対応する色チャンネル値の逆数の累乗に比例しています(詳しくは、[https://en.wikipedia.org/wiki/Photographic_film#Film_basics Photographic Film - Basics]を参照して下さい)。 フィルムの種類や経年劣化、撮影状況など他の要因次第で、各色チャンネルの値は異なる指数で累乗されます。これら指数を各フィルムの特性に応じて、より良い補正処理を行えるように指定します。手動による調整を単純化するため、これら3つの色チャンネル、R、G、Bの指数は、1つを“参考”指数(グリーンチャンネルに適用)として指定し、残りの2つ(レッドとブルーチャンネル)はこの参考指数との比率にします。ColorPlus 200やGold 200の様な、Kodak©の一般的なネガフィルムの映りならデフォルト設定で適度な結果を得ることが出来るでしょう。


== 利用 ==
== 利用 ==
# ネガにするraw画像を開きます。
# ネガのraw画像を開きます。
# Rawタブのネガフィルム機能を有効にします。
# Rawタブのネガフィルム機能を有効にします。
# 自動でより正確にレッドの比率とブルーの比率を設定するオプションがあります。そのためには、“ホワイト/ブラックスポットをピック”のボタンをクリックし、画像の中のニュートラルな明るさのスポットと暗いスポットの2か所をクリックします。
# 自動でより正確にレッドの比率とブルーの比率を設定するオプションがあります。そのためには、“ニュートラルスポットをピック”のボタンをクリックし、画像の中のニュートラルな明るさのスポットと暗いスポットの2か所をクリックします。
#:* これらスポットは厳密にホワイト、ブラックである必要はありません、明暗が著しく異なるニュートラルグレーな2か所で十分です。
#:* これらスポットを、元々の撮影シーンで色の偏りがないニュートラルな色相部分から選びます。但し、撮影したネガフィルムでは、[[White Balance/jp|ホワイトバランス]]を補正するまで、それらスポットがニュートラルには見えないかも知れないことを覚えておいて下さい。
#:* 但し、それら2か所はネガにする前の元画像で色の偏りがない部分、色相がニュートラルな個所です。ネガの状態ではそれらスポットがニュートラルに映らないことがあるので、予め[[White Balance/jp|ホワイトバランス]]機能を使って、ニュートラルな色相部分を調整します。
#:* それら2か所を異なる明るさの中から選びます。その際、色や輝度が飽和している部分は避けます。
#: スポットのピックはネガにする目的で撮影した一連の画像の中の1枚で行えば十分でしょう。その処理プロファイルを他の画像にコピーするだけです。
#:スポットの選択が必要なのは一本のネガフィルムで一回だけです。そのネガフィルムの他の画像に対しては、初めにスポットを選択した画像の処理プロファイルをコピーし貼り付けるだけです。
# 画像のホワイトバランスを調整します。画像の中で色相がニュートラルであるべき個所で調整を行うのが最も簡単です。
# 画像のホワイトバランスを補正します。画像の中で色相がニュートラルな個所で補正を行うのが最も簡単です。
#: ホワイトとブラックなスポットをピックすると、ホワイトバランス機能が作用するより前に、[[Toolchain_Pipeline/jp|ツールチェーンパイプライン]]の中のrawの値が変わります。従って、それらスポットを選んでからホワイトバランスの調整を行うことを奨めます。スポットを選ぶ前にホワイトバランスを調整しても構いませんが、その場合後になって再びホワイトバランスの調整を行いたいと思うことがあるかもしれません。
#: ニュートラルスポットをピックすると、ホワイトバランス機能が作用するより前に、[[Toolchain_Pipeline/jp|ツールチェーンパイプライン]]の中のrawの値が変わります。従って、それらスポットを選んでからホワイトバランスの補正を行うことを奨めます。スポットを選ぶ前にホワイトバランスを調整しても構いませんが、その場合後になって再びホワイトバランスの補正が必要になるかもしれません。
 
 ネガ画像の編集の編集に限って言えば、通常の”ポジティブ”raw”画像の編集と同じです。


== インターフェイス ==
== インターフェイス ==
=== 参考指数 (コントラスト) ===
=== 参考指数 (コントラスト) ===
 グリーンチャンネルに参考指数が適用され、レッドとブルーチャンネルに適用される指数は参考指数に対する比率です。この値を変えると画像の色を変えることなしに全般的に画像のコントラストが変わります。平均的なネガフィルム画像の再現であればデフォルトの値で十分です。画像がはっきりしない、或いは誤った露出で撮影されている場合は、この値を上げる必要があるでしょう。逆にコントラストの強いネガフィルム画像であれば、ポジに変換した際に色がクリッピングしてしまうので、値を下げる必要があるでしょう。
 グリーンチャンネルに参考指数が適用され、レッドとブルーチャンネルには参考指数に対する比率に応じた指数が適用されます。この値を変えると画像の色を変えることなしに全般的に画像のコントラストが変わります。平均的なコントラストを持つネガ画像であればデフォルトの値で十分です。ぼんやりした画像、或いは誤った露出で撮影された画像の場合は、この値を上げる必要があるでしょう。逆にコントラストの強いネガ画像であれば、ポジティブに変換した際に色が飽和してしまうので、値を下げる必要があるでしょう。
 
=== レッドの比率 ===
=== レッドの比率 ===
 参考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。
 参考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。
=== ブルーの比率 ===
=== ブルーの比率 ===
 考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。
 考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。

Latest revision as of 23:45, 18 February 2021

ネガフィルム

イントロダクション

 ネガとは明度と色相が逆転した画像のことで、フィルムカメラで生成されるような画像です。RawTherapeeはバージョン5.7から簡単にネガのraw画像を現像できるネガフィルム機能を設けました。

 但し、このツールがサポートしているのは、ベイヤー配列、或いはX-トランスセンサーのカメラで撮影されたネガのraw画像だけです。サポートされていないraw形式の画像にも使えません。

 ネガ画像の各色チャンネルの値は、撮影当初の露出に対応する色チャンネル値の逆数の累乗に比例しています(詳しくは、Photographic Film - Basicsを参照して下さい)。 フィルムの種類や経年劣化、撮影状況など他の要因次第で、各色チャンネルの値は異なる指数で累乗されます。これら指数を各フィルムの特性に応じて、より良い補正処理を行えるように指定します。手動による調整を単純化するため、これら3つの色チャンネル、R、G、Bの指数は、1つを“参考”指数(グリーンチャンネルに適用)として指定し、残りの2つ(レッドとブルーチャンネル)はこの参考指数との比率にします。ColorPlus 200やGold 200の様な、Kodak©の一般的なネガフィルムの映りならデフォルト設定で適度な結果を得ることが出来るでしょう。

利用

  1. ネガのraw画像を開きます。
  2. Rawタブのネガフィルム機能を有効にします。
  3. 自動でより正確にレッドの比率とブルーの比率を設定するオプションがあります。そのためには、“ニュートラルスポットをピック”のボタンをクリックし、画像の中のニュートラルな明るさのスポットと暗いスポットの2か所をクリックします。
    • これらスポットを、元々の撮影シーンで色の偏りがないニュートラルな色相部分から選びます。但し、撮影したネガフィルムでは、ホワイトバランスを補正するまで、それらスポットがニュートラルには見えないかも知れないことを覚えておいて下さい。
    • それら2か所を異なる明るさの中から選びます。その際、色や輝度が飽和している部分は避けます。
    スポットの選択が必要なのは一本のネガフィルムで一回だけです。そのネガフィルムの他の画像に対しては、初めにスポットを選択した画像の処理プロファイルをコピーし貼り付けるだけです。
  4. 画像のホワイトバランスを補正します。画像の中で色相がニュートラルな個所で補正を行うのが最も簡単です。
     ニュートラルスポットをピックすると、ホワイトバランス機能が作用するより前に、ツールチェーンパイプラインの中のrawの値が変わります。従って、それらスポットを選んでからホワイトバランスの補正を行うことを奨めます。スポットを選ぶ前にホワイトバランスを調整しても構いませんが、その場合後になって再びホワイトバランスの補正が必要になるかもしれません。

 ネガ画像の編集の編集に限って言えば、通常の”ポジティブ”raw”画像の編集と同じです。

インターフェイス

参考指数 (コントラスト)

 グリーンチャンネルに参考指数が適用され、レッドとブルーチャンネルには参考指数に対する比率に応じた指数が適用されます。この値を変えると画像の色を変えることなしに全般的に画像のコントラストが変わります。平均的なコントラストを持つネガ画像であればデフォルトの値で十分です。ぼんやりした画像、或いは誤った露出で撮影された画像の場合は、この値を上げる必要があるでしょう。逆にコントラストの強いネガ画像であれば、ポジティブに変換した際に色が飽和してしまうので、値を下げる必要があるでしょう。

レッドの比率

 参考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。

ブルーの比率

 考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。