Film Negative/jp
イントロダクション
ネガとは明度と色相が逆転した画像のことで、フィルムカメラで生成されるような画像です。RawTherapeeはバージョン5.7から簡単にネガのraw画像を現像きるネガフィルム機能を設けました。
但し、このツールがサポートしているのは、ベイヤー配列、或いはX-トランスセンサーのカメラで撮影されたネガのraw画像だけです。サポートされていないraw形式の画像には使えません。
ネガ画像の各色チャンネルの値は、撮影当初の露出に対応する色チャンネル値の逆数の累乗に比例しています(詳しくは、Photographic Film - Basicsを参照して下さい)。 フィルムの種類や経年劣化、撮影状況など他の要因次第で、各色チャンネルの値は異なる指数で累乗されます。これら指数を各フィルムの特性に応じて、より良い補正処理を行えるように指定します。手動による調整を単純化するため、これら3つの色チャンネル、R、G、Bの指数は、1つを“参考”指数(グリーンチャンネルに適用)として指定し、残りの2つ(レッドとブルーチャンネル)はこの参考指数との比率にします。ColorPlus 200やGold 200の様な、Kodak©の一般的なネガフィルムの映りならデフォルト設定で適度な結果を得ることが出来るでしょう。
利用
- ネガにするraw画像を開きます。
- Rawタブのネガフィルム機能を有効にします。
- 自動でより正確にレッドの比率とブルーの比率を設定するオプションがあります。そのためには、“ニュートラルスポットをピック”のボタンをクリックし、画像の中のニュートラルな明るさのスポットと暗いスポットの2か所をクリックします。
- 但し、それら2か所はネガにする前の元画像で色の偏りがない部分、色相がニュートラルな個所です。ネガの状態ではそれらスポットがニュートラルに映らないことがあるので、予めホワイトバランス機能を使って、ニュートラルな色相部分を調整します。
- スポットのピックはネガにする目的で撮影した一連の画像の中のニュートラルなスポット部分がある1枚で行えば十分でしょう。そして、その処理プロファイルをコピーし、他の画像に貼り付けるだけです。
- 画像のホワイトバランスを調整します。画像の中で色相がニュートラルであるべき個所で調整を行うのが最も簡単です。
- ニュートラルスポットをピックすると、ホワイトバランス機能が作用するより前に、ツールチェーンパイプラインの中のrawの値が変わります。従って、それらスポットを選んでからホワイトバランスの調整を行うことを奨めます。スポットを選ぶ前にホワイトバランスを調整しても構いませんが、その場合後になって再びホワイトバランスの調整を行いたいと思うことがあるかもしれません。
ネガに転換した画像の編集は、通常の”ポジティブ”raw”画像の編集と同じです。
インターフェイス
参考指数 (コントラスト)
グリーンチャンネルに参考指数が適用され、レッドとブルーチャンネルに適用される指数は参考指数に対する比率です。この値を変えると画像の色を変えることなしに全般的に画像のコントラストが変わります。平均的なネガフィルム画像の再現であればデフォルトの値で十分です。画像がはっきりしない、或いは誤った露出で撮影されている場合は、この値を上げる必要があるでしょう。逆にコントラストの強いネガフィルム画像であれば、ポジに変換した際に色がクリッピングしてしまうので、値を下げる必要があるでしょう。
レッドの比率
参考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。
ブルーの比率
考指数に対するレッドチャンネル指数の比率のことです。この係数はグリーンチャンネルのトランスファーカーブに対し、レッドチャンネルのトランスファーカーブをどの様に“曲げる”か、を意味します。この値を動かすと全般的な画像のコントラストはそのままに色合いが変わります。