The Floating Point Engine/jp

From RawPedia
Jump to: navigation, search


浮動小数点演算

 バージョン4.0以降のRawTherapeeは、精度の高い32bit浮動小数点演算を使うコンバーターです(dcraw(英語)や他のプログラム、RawTherapeeのバージョン3.0までは16bit整数演算を使っています)。従って、画像処理によるデータの切り捨てや損失がありません。

 一般的なコンバーターは16bit整数演算で作動しています。16bitでは、ピクセルの持つ値の幅が0~65535になりますが(精度を上げるため、普通、一般的にコンバーターは12ないし14bitのカメラの撮像データを増幅して16bitにしています)、整数演算なのでデータ値に小数点以下はありません。ですから、例えば102と103という値の間には他の値は存在しません。対照的に浮動小数点演算は小数点以下6~7桁の精度を持って、整数演算より遥かに幅の広い値を保持します。この性質は、特にハイライト部分の画像処理(復元)で力を発揮します。処理過程にある画像で、一時的に露光過多、或いは露光不足になってもピクセルの情報が失われません。また、小数点以下の値が得られることで、色の変化が滑らかになり、色ずれを避けることにも役立ちます。更に、整数演算による丸め誤差やクリッピングを気にする必要が殆どないので、少なからず浮動小数点演算はプログラムの開発者にとって現像のアルゴリズムを作り易いのです。

 浮動小数点演算の短所は、小数点以下を保持するためにRAMの使用量が大きいことです。16bit整数演算の2倍の使用量です。この負荷に対応し、且つ安定した動作を保つためには、RawTherapeeを64bitのOS上で使用することを強くお奨めします。もし、OSが32bitで、RawTherapeeの動作に問題が生じるようであれば、以下の事をお試し下さい:

  • 一般的に言えることですが、1つのフォルダーに多くのraw画像を保存しないことです。画像の数が多ければ、それだけRawTherapee のファイルブラウザタブに多くの画像を表示しなければならないことになり、その分メモリーが使われるからです。1つのフォルダーに100枚以上のraw画像を保存しないようにします。
  • ファイルブラウザを開いている時、RawTherapeeはより多くのRAMを使用しますので、現像処理をしている間はファイルブラウザを開かないように心がけます。
  • OSがWindows ならば、4ギガバイトチューニングを行います。Microsoft ライブラリーに、"4ギガバイトチューニング:BCDEdit and Boot.ini"(英語)についての説明があります。どの様に設定するかは、"How to set the /3GB Startup Switch in Windows XP and Vista"(英語)を参考にして下さい。
  • RawTherapee を使用する時は他のプログラムを閉じます。
  • メモリースペースを稼ぐために、画像編集が終わったら画像編集タブを閉じます。
  • バッチ処理の自動現像ボタンはオフにしておきます。編集が終わった画像はバッチ処理に待機させるだけです。現像は最後に行うようにします。バッチ処理に待機させるだけなので、「直ぐに保存」のボタンは押しません。
  • バッチ処理を始める前に、現像を行う予定の画像を、画像の入っていない、或いは画像の少ないディレクトリーに移します。
  • iccprofile\inputにあるカメラのICCプロファイルの中で、使わないプロファイルを全て消去(または、他のフォルダー、或いは別なフォルダーを作成して、そこへ移動)することで、メモリースペースを稼ぎます。
  • 環境設定の画像処理タブにあるダークフレームとフラットフィールドのディレクリーを指定するボックスは、これらを使用しない時には、名前を設定しないようにします。
  • RawTherapee の中でメモリーを最も多く使用する機能はトーンマッピングディテールレベルのコントラスト、及び“色の波及”モードを使ったハイライト復元です。PCのスペックが低い場合は、これら機能の使用を避けるようにします。